よい子の為のニコニコものがたり

——ある日の休日の午後、人で賑わうデパートにて.....

ガヤガヤガヤガヤ

男「いや〜休日の午後というだけあって凄い混みようだな〜」


怪しい男   コソコソ...


男「むむ?あの男...なんか怪しいな...」


怪しい男  コソコソコソ.....キョロキョロ.....


男「挙動不審...時期外れのロングコート...そして何よりお腹周りが妙に膨らんでいるような.....ま、まさか...!!」


怪しい男  .......バッッッ!!!!!!


男「ダ、ダイナマイト!!!???み、皆んなぁー!!!!!!その男から離れろぉぉぉぉ!!!!!!!」

皆んな  「「「ザワザワザワ!!??」」」


男「その男から離れろぉぉ!!!ダイナマイトを持っているゾォーーー!!!!」

皆んな「「「ザワザワザワ!!??」」」


男「早く離れろぉぉぉぉぉぁぉぉ!!」

皆んな「「「ザワザワザワ!!??」」」


男「早くその男から離れてくれぇー!!!!!」

皆んな「「「ザワザワザワ!!??」」」


男「爆発するぞぉぉぉぉぉ!!!!早く離れるんだぁぁぁぁぁ!!!!」

皆んな「「「ザワザワザワ!!??」」」


男「もう間に合わないかもしれないけど離れるに越したことはないから早く離れろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」

皆んな「「「ザワザワザワ!!??」」」


男「100%の確証を持ってその男がダイナマイトを持っていると言えるわけじゃないけど離れるに越したことはないから離れるんだぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

皆んな「「「ザワザワザワ!!??」」」


男「早く離れてクレェェェェェ!!!!!」

皆んな「「「ザワザワザワ!!??」」」


男「頼むぅぅぅぅぅ!!!!」

皆んな「「「ザワザワザワ!!??」」」



男「だ、ダメだ.....皆んな全然離れてくれない...」




怪しい男 バッ!!! スッ...  バッ!!! スッ... 




男「怪しい男もロングコートを開けたり閉めたりしてジャングルの鳥みたいな威嚇の仕方をしてる....爆発するのも時間の問題だな...早くなんとかしないと....」


今は亡き男のお母さん『男...人にモノを頼むときは敬語でお願いするのですよ...』

男「そ、そうだ...!!僕の頼み方が間違ってたんだ!!よーし...それじゃもう一度...!!」


男「皆様ー!!!!!!そちらに居られるロングコートをお召しになった紳士は爆発物を所持しておられる可能性がございまぁぁぁぁぁす!!!!一刻も早くその場からお離れになることを推奨致しますがご都合のほど如何でしょうかぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

皆んな「「「ザワザワザワ!!??」」」


男「えー!!!本日はお日柄も良く!!!皆様お足元の良い中デパートに集まって頂き大変ありがとうございまぁぁぁぁぁす!!!!」

皆んな「「「ザワザワザワ!!??」」」


男「私は先日結婚式の二次会のビンゴで当てた商品券でネクタイピンやハンカチ等を購入させて頂こうとデパートに参りました男と申しまぁぁぁぁぁす!!!!何卒よろしくお願い申し上げまぁぁぁぁぁぁす!!!!」

皆んな「「「ヨロシクオネガイシマ-ス!!!」」」


男「顔と名前だけでも覚え帰って下さぁぁぁぁい!!!そして出来ましたらお早めにそちらの紳士からお離れになって下さぁぁぁぁぁぁい!!!」

皆んな「「「ザワザワザワ!!??」」」



男「だ、ダメだ...敬語で心を込めてお願いしても全然お離れになって下さらない....」


今は亡き男のお父さん『男...ビジネスの基本はな...お客様の立場になって考えることだ...自分が客の立場だったら何を求めるのか...それを常に忘れるな...そして差し入れに甘いモノを持ってくるのも忘れるなよ...刑務所では糖分は本当に貴重なんだ...』

男「そ、そうだ...!!獄中死した父さんが言ってた通りだ!!今こそ皆んなの立場になって考えてみる時だ!!よーし...それじゃもう一度.....!!」




男「皆さまーー!!!せっかくの休日にデパートでお買い物をされてるところ大きい声で頼み事をしてしまい大変申し訳ございませんでしたぁぁぁぁ!!!!どうぞお買い物をお続け下さぁぁぁぁい!!!そちらの怪しい紳士は私の方でどうにかさせて頂きますのでぇぇぇぇ!!!!皆さまはいつも通りショッピングをお楽しみ下さぁぁぁぁぁぁぁい!!!!」

皆んな「「「ワカリマシタ-!!」」」




男「や、やった!!やっと俺の思いが通じたぞ....後は怪しい男をどうにかすれば...」



怪しい男  バッ!!!!  ス....  バッ!!!  スッ... ....!!!  スッ......




男「威嚇に加えてフェイントまで挟むようになってしまった...これはもう俺の手には負えないかもしれない...」


今は亡きペットのジョン『ワン...ワワンワン...ワワンガワン...ワワンガワン...ク-ンク-ン...』


男「そ、そうだ!!ペットのジョンもどれだけ頼んでも我が家が貧乏過ぎて全然餌にありつけないから最終的にはお父さんのご飯を必死で奪うようになったんだ!!!.....何事も諦めが肝心....よし!!!!」








男「一回サイゼリヤ挟みます!!!!!!!!」






〜15分後〜

男「うーん...サイゼリヤの間違い探しは難し過ぎるなぁ.....あっすみませーんこれ答えとかってありますか?」

店員さん「はい、ございますよ〜」

男「あっ、じゃあお願いします」

店員さん「かしこまりました〜」

男「へぇ〜サイゼリヤの間違い探しって頼んだら答え渡してくれるんだ、知らなかったな」




——終わり——
















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